めっちゃ学校作ったけど多すぎるから整理するわ!すまんな!



再三言っているように、文科省は大学の合併・譲渡・閉鎖の動きにシフトしている。
記事を要約すると
「閉鎖した大学から受け入れた学生は、補助金の計算には入れない(超過による減額補正がない)扱いにするよ」ということだ。

受け入れる大学からしたら、苦労せず学生をゲットできる、おいしい制度だ。弱肉強食の流れはこれからも続く。


この記事でも書いているが、大学が増えすぎ・飽和状態であることはずっと前からわかっていた。わかっていたのに放置し続けてきた文科省の罪は大きい。おまけに、専門職大学なんて奇天烈な政策まで打ち出している。



上位大学の収容定員増加はこれからも続く。進学率は上がっても学生数は減る。中堅未満大学はお先真っ暗だ。


事業団がこんなことまでやっている。世も末だ。
合併に向け事業団が「学校法人との顔合わせまで」を担当するらしい。

大学の序列は基本固定だ。どう考えても今定員を割っている大学が逆転する手段はほぼない。そのうえで、身の振り方を考えなくてはいけない。

大繁盛じゃい!!


以前も取り上げた関西医科大学。



その資金力から、学費値下げでも財務ダメージは軽微なである。
670万円もの学費値下げを発表した最初の年。受験者数は1,500名も増え、実質倍率も6.1ポイント上昇。
230521
下記サイトによると、関西医科大学は私立大学で3番目の学費の安さだ。


学費が安ければ安い程、偏差値が高くなる傾向にある。日本一学費が安い国際医療福祉大学の偏差値67.3に対し、日本一学費が高い川崎医科大学は61。
今後も関西医科大学には優秀な学生が集まるだろう。


調べてみたところ大阪市から離れているものの、立地は悪くない。
230521-2


また、同キャンパスにとてつもない建物を建設していた。どうやらホテルのようで、患者を受け入れる施設だそう。これが財務強者の資金力である。学費値下げ、キャンパス拡充により志願者増…これでは限界大学が勝てるわけがない。
それほど財務が盤石であるということは、学校経営に大きな影響を及ぼすのだ。

世は副業時代じゃ!

先日、女子大学の収支を集計した時、異常に収支が良い大学があった。昭和女子大学だ。



まずは収支。直近4年は全て20億円近くの黒字を出し続けている。強い。
230430-1
バランスシート上の運用資産も十分にあり、運用資産余裕比率も平均並みだ。
230430-2
なぜこれほどの利益を出しているのか。人件費を見てみる。
230430-3
人件費比率(経常収入に占める人件費の割合)、人件費依存率(人件費に占める学納金の割合)共に平均を下回っているが、極端に低い印象も受けない。
230430-7
マイナビで募集している報酬を見てみると、年収350万円~450万円ですご~く微妙・・・。
人件費が控えめというのは数字通りかもしれない。次に収入を見てみる。
230430-4
施設利用・補助活動収入共に、
学校法人の規模の割には高い数値で推移している。コロナで減退しているが。
また、収益事業収入(賃貸料収入)も高水準で、幅広く事業展開していると推察される。



事業報告書を見ると、認可保育園昭和ナースリー、おでかけひろばSHIP、ほっとステイSHIP DAY NURSERY、アフタースクールの4施設を運営している。
230430-6
組織図見てみたら、大学以外の組織の数がハンパねえwww


ボストンにキャンパスを設置し、さらに都内にインターナショナルスクールも構える。かなり動きの激しい大学だ。女子大学は保守的なイメージだが、ここは違うようだ。
ブリティッシュスクールは定員の2倍超えの学生を確保し、好調だ。
昭和女子大学の財務の強さは、こういった収益事業に加えインターナショナルスクールや補助活動等が利益に寄与していると思われる。あまり認可保育園とかアフタースクールとか、利益率高い印象ないですが。

どの学校法人も通常の大学運営だけでは利益が出しづらくなることは確実なので、こういったリスク分散は必要だ(大抵うまくいかないが)。
自身の培ってきた教育資源を上手に事業に繋げられたら良いのだが、うまくはいかない所が多いだろう。というか、限界大学はそもそもそういった事をやる力もないのが現状だ。

↑このページのトップヘ