コロナ禍で大学界隈の人たちはいろいろと大変だと思いますが、こんな緊急事態宣言下でも広まらないIT化、とりわけペーパレス化について、複雑な思いをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

確かに大学は公の性質を持つもので、紙の書類等を一般企業より大切に扱わないといけないのは理解できます。が、ここまでノロノロと何もしないのは、本当に無能と言わざるを得ません(私の所属する機関の愚痴ではなく、大よそどこの大学も似たような状況にあると思います)。

大体、年収1千万円を超えているような教授陣らに旅費や物品購入、稟議書にハンコを押させること自体が罪なのです。そんなことに時間をかけている場合じゃないですよ、と。
小学生の頃に見たアニメ『幽遊白書』でコエンマ様が紙の書類に次々とハンコを押していく様を見て、「アホな仕事の進め方してるなあ・・・」と思っていたのが遠い昔。今、まさに同じことをやってしまっています。

常々思っていたのですが、日本の組織は動機づけがないとやらないのです。
例えばIR(企業IRではなく大学のIR)。あんなもの、多くの大学が不要だし、必要な大学だけやれば良いと思うのですが、文科省が「やれ」と指示し、経常費補助金等の各種助成金の得点化することにより、一気に広がりました
(不要な仕事を増やしただけだけどね)。
書類のペーパレス化も、得点化してしまえば良いのです。「文科省が言ってるから」「補助金の算出基礎になるから」という小学生みたいな理由で、組織は動くのです。
現にIRなんて、いらないのにどの大学もよく専任教員や専門部署を置くなあと感心しながら見ていました。
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この表の中に「ペーパレス化を全面的に実施している」を加えるだけでOK!あと、多くの大学が必死に食らいついている総合支援事業にもこの内容を盛り込みましょう。
それだけで多くの教職員が救われ、コストカットにもつながります。

会議の様子のモニター画面をさらにカメラで直撮りして、その様子をYoutubeにアップしてしまうような文科省さんには少し難しいかもしれないけど・・・




時代はもっと進んでいるよ!

徳山大学。どこにあるかわからないが大学だが、山口県山口市から遠く離れて東のほう、周南市学園台にある私立大学だ。あの有名な迷惑系ユーチューバー、へずまりゅうを輩出した実績をもつ。

ユーチューバーは徳山大卒 学生感染の大学側が会見



さてこの大学、公立化に向けて準備を進めているそうだ。



そんなに財務状態悪いの?と思いHPで調べてみた。

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教育活動収支(本業)も基本金組入前当年度収支差額もずーっと赤字みたいだ。 赤字が続いているなら人件費を削ればいいのに、と思うだろうが、ここは右肩上がりだ。
同じく支出の割合が大きい教育活動支出も微減程度で、大した支出努力はしていない模様。 では、これら赤字の結果、貯金はどうなっているのか。特定資産と現預金をみてみる。

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特定資産はほぼない状態で、現預金もジワジワ減ってきている。でもまだ手元資金に余裕はある状態なので、しばらくは大丈夫そう。
それほど今すぐ公立化すべき常態かは疑問だ。

この大学、在籍者数1115人のうち229人も留学生を抱えている。およそ21%が留学生だ。公立化に関する検討会議の議事録を読むと、これら留学生や奨学生への奨学金費支出が、教育活動支出悪化の一因を担っているそうだ。
もう、見た目上の収容定員充足率を良くするために留学生を無理やり引っ張ってくるのはやめにしませんか。
そんなことばかりやっているから退学率が増えて教育や就職実績も悪くなるんですよ。東京福祉大学じゃないんだから。

このように、今までさんざん怠慢経営をやってきたツケを、公立化することによってそこに住む住民に押し付ける大学公立化、本当によく考えたほうがいいです。市長やその周りにいる人たちは、「大学を持つ」ということを重視します。関連団体が増えますし、「大学がある」というのが一見高尚のように見えますからね。
ただ実態はそんなもんじゃないですよ。
周南市民のみなさん、立ち上がれ!



前回の退学者に関する記事でも適当なこと書き散らかして混乱を招いた朝日新聞(自称)というブロガーが、またやらかしてくれた。


共通テスト「緊急事態宣言出ても必ず実施」 文科省幹部


こんなタイトルの書き方したら、何も施策を打たずに強行突破しているみたいになるだろうが!
また現場を混乱させて、他の人の足をひっぱりたいのだろうか。

記事の概要はこう。
今月16、17日に第1日程が予定されている。
・文科省幹部が「「共通テスト「緊急事態宣言出ても必ず実施」」と語った
 →恐らく長く話をして、この文言だけ引っこ抜いたと予想。
・文科大臣は過去に「緊急事態宣言が出ても試験は実施」と明言

この他、文章が続いているがログインしないと読めないので、まあ誰も読んでいないだろう。


まず、緊急事態宣言が発令されても試験が実施できるよう、大学入試センターは各種施策を実施してきた(まあ、負担を被るのは実施する大学なのだが・・・)。




朝日新聞のログインできない状態で読める本文には、第一日程のことしか書いてないが、今年度は第二日程も用意されている。
これは、「新型コロナウイルスの影響で学習の遅れがある高校生」を対象としたもので、所属学校長に認められた場合、1月30日、31日にも受験できる。
これまでも病気やケガを理由に別日程はあったが、会場が東京関西だけの2つだけとなっていた。これが今回は47都道府県全てで会場を設ける予定。
さらにこの1月30日、31日にも受験できない者に対し、特例追試験が2月13日・14日に設定される。これは会場が2つのみの予定。
文科省も大学入試センターも、受験できないやむを得ない状態にある場合は無理せず日程を選択してくれ、と再三呼びかけている。

果たしてこれでも、無理やり実施するということになるだろうか?
何もしない人たちは文句だけ言えるが、お上がそう決めた以上、現場はそれに向けて準備を進めているのだ。それこそ受験生は、この日程に合わせて勉強しているのだ。

自粛警察は暢気に自粛のみ叫べば満足するだろうが、現実の物事はより複雑だ。そこに政権を批判したいだけの新聞社と自称しているブロガーが余計な扇動をすると、現場が混乱する。
前の時も同じことを言ったが、新聞社はオワコンなので自ら記事を創造できないのは仕方ないにしても、他人の資料を都合よく改ざんして現場を混乱させるのだけはやめてほしい。
現実を直視して、そのうえでメリットとデメリットを天秤にかけ、どうするか決断するのが現実世界なのだ。医療現場がひっ迫していることやコロナ感染者の気持ちを考えると自粛と叫びたいのはわかるが、問題解決には複合的な視点で見る必要がある。

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