あ…ありのまま 今、起こった事を話すぜ!
この少子化・キャンパス都心回帰の時代に、青森大学という大学が下北半島のむつ市というところに新しいキャンパスを設置するらしい。
な…何を言っているのか、わからねーと思うが、俺もわからねえ。



ちなみにむつ市というのはこの場所にある。



函館からの高速船通学を狙ってのキャンパス設置か・・・?
ちなみに青森大学は青森市にあり、むつ市と近いように見えるが100kmは離れている。
青森大学というとピンとこない方もいるかもしれないが、国立ではなく私立の大学だ。偽装留学生の大量除籍問題、といえばわかる人がいるかもしれない。

地方は過疎化や若者の流出問題を抱えているから、「大学がある」というのは大変なアドバンテージなのだ。そこに学生が集まるかどうかは関係ない、「大学がある」というのは本当に大きいのだ。
だから、設置してくれた大学に補助金を出す。設置する大学側も旨みがある。稚内北星学園大学はいい例だろう。ちなみに稚内北西大学大学は瀕死状態だが。



さてこの大学、新しいキャンパスを設置する体力はあるのか、財務をみていきたい。
特定資産は0、現預金960百万円、有価証券9百万円と、運用資産969百万円で若干不安。

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※青森山田学園「財務情報」より  https://aomori-yamada.jp/hp/wp-content/uploads/2020/06/2020%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E9%A1%9E.pdf

それより、がっつりと借入をしている。2020年3月末時点で3000百万円もの借入をしており、借入金利息支出を50百万円計上している。


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ここがほかのヤバイ大学より救いがあるのが、毎年教育活動収支・基本金組入前当年度収支差額で黒字を出しているところであろう。大学・専門学校・高等学校・中学校を一校ずつ、幼稚園を3つ擁している。
さすがに青森で私立の中高に行く人は少ないのか、中高部門では赤字を出しているが、その赤字分を吸い上げるように大学部門で黒字を出している。大学の収容定員は95%ほどで定員割れしているが、人件費等支出を低く抑えられているため、黒字を維持。
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概していうと、貯金は少ないけど定員割れしながらなんとか黒字出しているから、ぼちぼち借金返していかないといけないな、という局面だ。

その状態にありながらむつ市に新しいキャンパス建設。僕ならやらない。大学部門の起死回生を狙ってか、それを下北半島のむつ市で果たせるかは甚だ疑問だ。
ちなみにむつ市の最新の統計によると、18歳人口は544名であった。



また、記事によるとキャンパスは
下北文化会館を活用、学生は1学年20人ほど。文化会館で高等教育とは、オツですね!
ブログがいつか収益化できたら、取材という名目でこの文化会館に訪れたい。

その発表はあまりにも突然だった。文部科学省のホームページに、「認可取り消し」の文字が飛び出した。

「 「JAPAN e-Portfolio」の運営許可については、一般社団法人教育情報管理機構に対して「許可(条件付き)」していたところですが、…(中略)…審査等も踏まえて、文部科学省において運営許可要件を満たさないと判断したことから、令和2年8月7日付で許可を取り消すこととなりました。」

これは、要するに「債務超過で運営できませんのでやめまーす」というわけだ。JAPAN e-Portfolioの詳細は他サイトに譲るが、簡単にいえば調査書に書かれているような各種データをインターネット出願に連動させるためのシステムだ。

それではどういった財務状態だったのか、教育情報管理機構のHPに載っている2019年度決算報告をみていく。

まず、2020年3月末時点の貸借対照表だ。
資産の部は流動資産の現預金1,595千円のみ。
負債の部は流動負債(1年以内に返済しなければならない負債)が55,000千円と未払い消費税404千円と、いきなり53,806千円の債務超過。
こんなシンプルに債務超過出しているバランスシート、なかなか見られない滑稽なものだ。

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それでは一年間の活動の中で、どのように債務超過を出したのか、収支決算書を見てみよう。
まずは収入の部。
大きな収入を見込んでいた一般会費。予算の段階では60,000千円の収入を見込んでいたが、結果は6,800千円と、▲50,000千円以上もの乖離。
それに連動しデータ利用料も予算40,000千円から決算では5,000千円と35,000千円もの乖離。
そのほかも見てわかると思うが、とにかく予算で組んでいた見込みを決算で達成しているものが少ない。予算より多いものは、講演収入と連携開発費(なんだこれ)だけだ。
全体で152,561千円もの収入を見込んでいたが、結果はその半分にも満たない66,547千円。あまりにも予算の見通しが甘すぎる。

支出の部を見てみよう。システム運用経費を110,000千円で予算で組んでいたが、実績は55,000千円。注釈を見るに分割払いをしたようなので、あまりにも収支が合わなくて支払いを伸ばしてもらったのだろう。なんせ、消費税すら支払いが怪しいのだから。

これにより、2019年度決算は53,809千円の赤字でフィニッシュ。
結果として、50,000千円以上の負債と110,000千円かけて作った今後誰も使用しないシステムだけが残った。

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気になるのは、この負債誰が引き継ぐのかということだ。
同法人の定款によるとこう規定されている。

「第59条  この法人が公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合には、社員総会の決議を経て、公益目的取得財産残額に相当する額の財産を、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から1カ月以内に、公益法人認定法第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。ただし、その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。」

わかりにくいが、要するに解散するときの財産(この場合負債)は国又は類似の事業をする法人(学校法人や独立行政法人等)に贈与することになっている。みたところ株式会社は引き継げなさそう。このシステム、どこに発注したかわからないが、この事業にかかわったベネッセは無傷で済んだわけだ。この負債、税金で処分したのかな?そのあたりの説明もすべきだと思うが、たぶんなかったことにされるだろう。

大学入試改革の深き闇…「Japan e-Portfolio」中止騒動がキナ臭すぎる
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75062?page=3

この記事によると、同機構はシステム運用をベネッセに「再委託」したらしい。

ベネッセさん、チョロイ顧客相手に儲かりましたね!

ハッピー・サイエンス・ユニバーシティという機関をご存じであろうか。一時期は大学に昇格する予定であった、私塾だ。私塾といえど、あなどってはいけない。
場所は千葉県長生郡長生村という謎の村。周りには何もない。何もないところに豪奢な建物がポツンとあるのだ。





これである。どこの宮殿かと思うだろうが、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティなのだ。
こんな豪奢な建物、どうやってお金を捻出しているのだろうか。財務諸表を見ていきたい。

先に書いておくが、同学園の設立は平成20年、写真で見た建物の設立は2005年なので、当時またはその前の財務書類は参照できない。その当時に相当額のお金が動いたと思うがそれは追えない。公開してある平成24年以降の財務書類を見ることになる。

学校法人幸福の科学学園「財務情報」


同学園は2020年3月末時点の運用資産が特定資産504百万円、現預金7219百万円と、中高しか持たない学園にしては多いほうである。この規模に比べ、毎年恐ろしいほどの寄付金が入ってきている。2012年からの寄付金収入をみていきたい。

2012年: 6576百万円(施設:3592百万円)
2013年:11798百万円(施設:1909百万円)
2014年: 1181百万円(施設:8776百万円)
2015年: 2303百万円(施設:2542百万円)
2016年: 1145百万円(施設:  40百万円)
2017年:  857百万円(施設:  82百万円)
2018年: 1000百万円(施設: 100百万円)
2019年: 1112百万円(施設:  35百万円)

8年間で総額25972百万円もの寄付である。その寄付を何に使っているかというと、施設関係支出が目立つ。2012・2013年は大学の認可申請の直前であったため、また、関西に新しく中学高等学校を開設するため、特に多額だ。2016年以降は控えているみたいだが・・・。
おそらく、この私塾の建物を建てるときは、こんな金額では収まらなかったであろう。
ちなみに早稲田大学の2019年度の寄付金収入は2813百万円程だ。おそらく寄付募集にかかる経費や手間は早稲田大学の方が圧倒的にかかっているだろうから、驚くべき集金力だ(というか、幸福の科学の資金力)。

この学園も、寄付がなければ赤字となる。各年度の収入に占める寄付金の割合を見ていきたい。

2012年→64%
2013年→65%
2014年→4%(ただし、特定資産を7453百万円ほど切り崩している)
2015年→19%
2016年→15%
2017年→10%
2018年→11%
2019年→11%

このように、かなり寄付に頼った収益構造になっている。幸福の科学はこれだけお金をかけて、結局ハッピーサイエンスユニバーシティが大学認可にまで至らなかったことに何も感じていないのだろうか。
同学園は積極施設設備投資にもかかわらず、2015年を除きずっと黒字だ(寄付収入によるものが大きいからだが)。
開設予定だった学部は「人間幸福学部」「経営成功学部」「未来創造学部」「未来産業学部」であった。これをどう評価するかは皆さんにおまかせするが、そこらのヤバイ大学よりかは「財務的には」安定しているということになってしまう。2014年不認可、2020年認可取り下げとなった同学園。今後も申請し続けるのだろうか・・・。

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