ボロボロです。

2020年・2021年に広島国際学院大学、保険医療経営大学、上野学園大学が学生募集停止を行っており、大学を廃止する準備に入っています。いずれもまともに学生が集まっていない大学です。
それらの大学の財務を見れば、これから大学が潰れていく理由が分かると思います。それでは見ていきましょう。

いや~さすが学生募集停止を行うことだけのことはありますね。債務超過上等、って感じでしょうか。
まず、学生募集停止する大学の貯蓄状況(運用資産)と借入金を3大学分ざっと見てみましょうか。
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グラフは2020年度決算の数値です。
それぞれの大学の規模が違うので、グラフがいびつな形になっていますが、基本的に運用資産より借入金の方が多いですね。
っていうか、保険医療経営大学の手元資金1700万円て・・・。

次は2020年度決算の収支です。
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当たり前のように赤字ですね。これは2020年度に限らず、基本的にずっと赤字でした。
何がすごいって、大きな収入源である学納金は消費税非課税、法人税非課税と各種税金が優遇されているのにこの赤字。いや~ある意味すごい経営センスだ。

では、こういった大学でも良かった時代はあったのでしょうか?可能な限り古い計算書類を入手し、過去と現在を比較してみました。まずは広島国際学院大学。

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2009年と言えばリーマンショックの年でしょうか。でもまだその頃は、借入はそれほど行っていませんでした。そこから慢性的な赤字が続き借金借金・・・そして今の財務になり、大学を経営できなくなってしまったんでしょうね。たった11年でこの様。南無。

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お次は保健医療経営大学。もっとも古いのが2016年のものしか入手できませんでした。あれ?なんか借金大幅に消えてね?決算書を見てみると・・・。
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「長期借入金13億5千万円の債務免除を受けた」

借入元は社会医療法人雪の聖母会。うおおおおマリア様のお慈悲だああああ!13億円もの債務免除、すげえや。
この債務免除により保険医療経営大学は債務整理をし無事大学を廃止にできることができる、と。
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最後に上野学園大学。ここはあんま変わってないですね。借入が超過したくらい。まあずっと低空飛行だったのでしょう。

この3大学は特に悪いですが、このレベルに向かって財務悪化の一途を突き進んでいる予備軍大学はいっぱいありますよ。
なぜか大学は潰れないなんて呑気なこと吹聴している人がいるみたいですが、いい加減現実に目を向けましょう。
普通に考えて、大学の数が増えて、上位大学は定員を増やし、18歳人口が減ってるんですよ。そりゃつぶし合いが始まるにきまってるでしょう。
今現在定員割れ大学に勤めている貴方、次こうなるのはあなたの大学ですよ!