貧乏は文化を破壊する

5月19日、とあるツイートが突如として流れてきた。


どうやら大阪音楽大学で、楽器資料館の資料移管(+廃棄?)と閉館するという噂が流れているようだ。

楽器資料館は、「日本の伝統楽器」「ヨーロッパの楽器」「世界各地域の楽器」等、2,000点もの所蔵がある資料館だ。

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その後、このツイート主に数々の情報提供があり、裏取りができたようだ。


まとめるとこうなる。
  • 現在の楽器資料館はまもなく閉館し(5月末の予定がSNSでの情報が拡散したため1ヶ月ほど延期)、8月から教室に変えるための工事に入る。
  • 現在の楽器資料館は教室に改修される。この教室は今年新設のミュージックビジネス専攻の教室として使用される。
  • 現在、展示されている楽器群は3種に分けられ、一部は学内の他所に移され、一部は移譲先を探して手放すことが今週初めて公式に説明された。しかし学生をはじめとして多くの教職員には何の告知もないままである。
  • 手放すとされる「民族」楽器の数量は千点近いであろう。辺境の地、戦争や紛争のため二度と入手ができない楽器も多く含まれるが、教室不足のために手放すことを大学は考えている。悪くすれば廃棄もありうる。

半分以上手放すのはワロタw

そんなことをしないといけないくら、経営に余裕がないのか。
相対的な財務評価は「音楽大学 財務ランキング」を参照されたい。


まずは収支。
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当然のように赤字。6年連続赤字である。運用資産の割に配当益は高いので、これにより経常収支は若干改善。人件費比率は61%と全国平均より若干高めであるので、収入に見合った人件費の見直しが必要である。

次はバランスシート。
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もっと過去のものを遡りたかったが、2015年までしか見られなかった。運用資産はそれほど変わっていないが、借入金が2倍近くになっているのが気になる。
運用資産余裕比率は1.5年分と全国平均を若干下回る程度であるが、そこそこに貯蓄はしている。

概して、大阪音楽大学の財務はあまり良くない事が伺える。もちろん、上野学園大学ほどではないが、放っておけば悪くなる一方なのは明らかだ。
収容定員926名に対して在籍者数826名と、まずは定員を充足させ収支を安定させることだ。場合によっては収容定員を見直し、適正規模を図ることが大事なのだ。

「新しく教室を作る」というために、資料館を潰す理由が分からないが、まあ反発を受けるでしょう。
経営サイドは目に見えないものに価値を置けない人が多いと思うので、ここはいかに関係者がゴネるかが重要だ。いいですか、上野学園大学の二の舞にならないよう、早めにゴネるのです。そして今の財務状態を客観的に評価し、見直しを行わなければなりません。


立ち上がれ、大阪音大生!そしてワイにも情報くれ!


全くの余談ですが、新しい教室は財務がひっ迫していることを勘案しクラファンするか、資料館を有料にするってのはどうでしょうか?