世は副業時代じゃ!

先日、女子大学の収支を集計した時、異常に収支が良い大学があった。昭和女子大学だ。



まずは収支。直近4年は全て20億円近くの黒字を出し続けている。強い。
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バランスシート上の運用資産も十分にあり、運用資産余裕比率も平均並みだ。
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なぜこれほどの利益を出しているのか。人件費を見てみる。
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人件費比率(経常収入に占める人件費の割合)、人件費依存率(人件費に占める学納金の割合)共に平均を下回っているが、極端に低い印象も受けない。
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マイナビで募集している報酬を見てみると、年収350万円~450万円ですご~く微妙・・・。
人件費が控えめというのは数字通りかもしれない。次に収入を見てみる。
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施設利用・補助活動収入共に、
学校法人の規模の割には高い数値で推移している。コロナで減退しているが。
また、収益事業収入(賃貸料収入)も高水準で、幅広く事業展開していると推察される。



事業報告書を見ると、認可保育園昭和ナースリー、おでかけひろばSHIP、ほっとステイSHIP DAY NURSERY、アフタースクールの4施設を運営している。
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組織図見てみたら、大学以外の組織の数がハンパねえwww


ボストンにキャンパスを設置し、さらに都内にインターナショナルスクールも構える。かなり動きの激しい大学だ。女子大学は保守的なイメージだが、ここは違うようだ。
ブリティッシュスクールは定員の2倍超えの学生を確保し、好調だ。
昭和女子大学の財務の強さは、こういった収益事業に加えインターナショナルスクールや補助活動等が利益に寄与していると思われる。あまり認可保育園とかアフタースクールとか、利益率高い印象ないですが。

どの学校法人も通常の大学運営だけでは利益が出しづらくなることは確実なので、こういったリスク分散は必要だ(大抵うまくいかないが)。
自身の培ってきた教育資源を上手に事業に繋げられたら良いのだが、うまくはいかない所が多いだろう。というか、限界大学はそもそもそういった事をやる力もないのが現状だ。