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先日早稲田大学の資産運用での成功をお伝えしたが、慶応はそううまくはいっていないようだ。
2019年度決算において公表された計算書類に、2020年3月末の有価証券時価情報が記載されている。107,149百万円の運用額に対し、▲10,669百万円もの評価損を出している(約10%の評価損)。

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※慶應義塾HP「情報公開」より
 https://www.keio.ac.jp/ja/about/learn-more/data/#anchor02_03

 
鹿児島純心女子大学の時もそうであったが、コロナ禍の最悪期なので、今現在も売らずに保有していたら少しは回復しているだろう。
いくら損を出していたとしても、運用益で儲かれば大丈夫!ということで、過去5年の「受取利息・配当益収入」を見てみよう(カッコはその時の評価損)。

2015年:3,168百万円( ▲1,754百万円)
2016年:3,007百万円( ▲1,480百万円)
2017年:3,077百万円( ▲2,544百万円)
2018年:3,062百万円( ▲3,115百万円)
2019年:3,140百万円(▲10,669百万円)

う~ん微妙。というか、含み損がすごい勢いで増えすぎてて笑えない。一体、どんなゴミ商品を買わされているのか。この配当益と2019年度時点決算の含み損を相殺すると、プラス1778百万円(その間、色々売買していることを考慮しなければ)。
結果としてプラスに見えるが、これだけ評価損を出している商品をもつことは、良くないだろう。今後どのような経済情勢になるかわからないし、相場が好調な2015年度~2018年度も評価損って・・・。


慶応大学、実はリーマンショック時にもとてつもない損を抱えていた。

運用評価損有名私大に明暗 慶大はダントツの225億円
https://news.livedoor.com/article/detail/3959201/

2008年の記事だ。この年は駒沢大学の伝説の154億円デリバティブ損失事件など、学校法人の資産運用の拙さに多くのメディアが騒ぎ立てた。

記事ではこう報じている。

「例えば慶応大学が公表している07年度の決算書には、07年度末時点で有価証券等評価損が225億5500万円あることが明らかにされている。」

ちなみにもっというと、2008年度決算においてはその評価損は▲36560百万円を超えている。下記は当時公表されていた財務書類だ。


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この損について、当時の慶応義塾広報室はこう語っていたようだ。

「長期保有・満期保有を行うことで、元本の確保をはかっていきたい」

損切しなければ損じゃない、まさに優待投資家の桐谷広人氏のような発言だ。
この頃から、多額の含み損を抱えることに慣れていたのであろう。
ちなみに同時期の早稲田大学の含み損は、僅か▲550百万円であった。
慶応大学の学費や病院収入、寄付金はこういうところに吸い込まれていきます。

当時に比べれば今は3分の1ほどの含み損。まだまだ損しても平気平気!




早稲田大学。言わずもがな名門大学だ。名門大学は、投資にも抜かりがない。

早稲田大学の2019年度決算における貸借対照表で「有価証券の時価情報」として、2020年3月末時点での情報が記載されている。2020年3月末といえばコロナ真っ只中、多くの大学が評価損を計上した時だ。早稲田大学はどうか。

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※早稲田大学HP「決算書関連情報」より
 https://www.waseda.jp/top/about/work/organizations/financial-affairs/financial-statements




ご覧の通り、このコロナ渦で30,909百万円もの含み益を出している。さらに、活動区分資金収支計算書をみると、受取利息・配当金収入は5,483百万円を計上。

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これはどのくらいのインパクトかというと、先般紹介した東京女子医科大学の学納金収入が4,714百万円であるため、それを軽く超えてしまっているレベルだ。 東京女子医科大学が汗水垂らしてうん千万円の広告費を使って集めた学納金を、早稲田は不労所得という形でゲットしている。

では、なぜこれほどまでに儲かるようになったのか。 早稲田大学は2018年から4〜5年かけて1億ドル相当の資金で、海外の未公開株などのリスク性の高い金融商品での資産運用を拡大することを発表。

早稲田大学が資産運用拡大で失敗しないための5つのポイント
※2018.1.10のDIAMONDオンラインより


当時は「今更運用規模拡大するなんて」「金融機関の餌食」などと叩かれていたが、結果は一目瞭然。早稲田大学の決算関係書類に詳細が記載されているので、それを参照してみる

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2018年、有価証券26,100百万円保有していたが、2019年には20,000百万円ほど増やし46,300百万円に。それに比例する形で、受取利息・配当金も2,440百万円から5,480百万円にジャンプアップ。
何より大きいのが、このコロナ禍でどこも含み損を出している中、約30%ほどの含み益を出している早稲田大学の凄みだ。

2018年に上記のとおり早稲田大学が積極運用を発表した際、多くの自称経済評論家が疑問を呈した記事を掲載。そのほとんどが的外れだったわけだ。




まとめ

  • このコロナ禍で有価証券で30%の含み益、5,000百万円もの利息・配当益を実現
  • 配当益はその辺の大学の学納金より大きい額
  • おそらく来年度決算はもっと結果出してる。 

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