始まりは1987年の稚内北星学園短期大学、その後改組し2000年に四年制大学へ移行。
一時期は東京にサテライト校を置くなど攻めた経営をしていたが、今は閉校。財務もボロボロで、2020年度より学校法人育英館が経営に参画することが決定した。
さて、財務内容を見てみよう。 他のヤバイ大学と変わらず、経常収支は5年連続で赤字を達成。それもそのはず、2020年度時点での収容定員充足率は55.5%。200人の収容定員に対し、111名しかいない。しかも、2020年度入学者は16名であった。
永続的な経営を行うために必要となる積立率(運用資産/要積立額)は僅か4%(全国平均60~70%)。特定資産や有価証券が一切なく、あるのは現預金83百万円のみという男らしさを見せつけている。
※稚内北星学園大学HP「情報公開」より
https://www.wakhok.ac.jp/introduction/corporation
この大学が厄介なのは2017年度以降、毎年稚内市から50百万円の補助金を得ていることだ。逆に言うとこの補助金がないと、たちまち資金ショートしてしまう。なぜなら現段階で現預金83百万円しかなく、この補助金を入れても2019年度決算は3百万円のキャッシュ減なのだ。
ちなみに稚内市のこの補助金、市の資料を見てみると「市長が必要と認める事業」としており、乳幼児等医療費助成事業62百万円、ひとり親家庭医療費助成13百万円と並ぶ「子ども・子育て支援対策にかかわるもの」として位置付けられている。果たして2020年度に16名しか入らなかった大学に、それほどの補助は必要なのだろうか。
この補助金、どのくらいの規模かというと、同大学の教育活動収入に占める割合が23%とめちゃくちゃ大きい。学納金は83百万円ほどだからそれに並ぶ収入だ。 ついでに言うと、事業団からの補助金を含めるとその割合は5割を超え、補助金によって支えられている大学となる。 しかも、稚内市から短期の運転資金として50百万円借り入れしている(当座の運転資金なので同年度内に返済)。
このように、同大学は稚内市に負んぶに抱っこ状態だ。充足率5割なのだから、現在の学納金収入の倍額稼げるポテンシャルがあるといえばそうなのだが、果たしてこの立地で学生が集まるだろうか。
ロシアからの留学生たくさん呼んだほうが手っ取り早いかも。
このような状態であれば、北海道の大学にありがちな公立化かというところだが、その妥当性は再考せざるを得ない。
まとめ
- 運用資産は現預金83百万円のみ
- 資金収支は5年連続で赤字
- 稚内市から毎年50百万円もの補助金でなんとかやっていけている
- 稚内市から当座の資金として50百万円の短期借り入れを行っている
- 稚内市の子会社のような機関