カテゴリ: 雑記

もっと酷くなる

ルポルタージュは好きなので、滅多に本は買わないが、久しぶりに購入した。
国公私立大学で起きている労働問題、ハラスメント問題、ガバナンス問題等々にスポットライトを当て取材している。多くの大学にとって、程度の問題はあれ似たような事象は起きていると思う。それは、相手方が教員というある種の個人事業主と、理事長・学長という特異な存在での関係で起きることなので、普通の感覚とは少し違うのかもしれない。

文章中で気になったのは、「私立学校法が改正されたから」「独立行政法人化したから」こうなったという、やや強引な結論付けが目立った。その改正によってどのような事象が起きて、その結果どうなったかを十分に検証する必要がある。何が正しくて何が正しくないのかが全く見えてこない。これでは政権批判のための強引な結論付けのような印象を受けてしまう。

とはいえ、全体的には読みごたえのある内容だった。特に私立大学は面白い。
なんせ国公立と違ってお先真っ暗だからだ。ただ、本著で取り上げられているのは腐ったミカンでお馴染み追手門大学や山梨学院大学等、まあ割と聞いたことあるところが多い。
本当に悲惨の大学は、このほかにいっぱいある。それこそ、このブログで取り上げたような定員割れ貧困大学だ。こういうところはもう本当にどうしようもない。こういった大学が迎える末路は、注意深く検証する必要がある。そう、このブログで。




ワイが愛読している学校法人会計広場が本を出したようだ。


人気ブログ発!いちからわかる学校法人会計 /ぎょうせい/梶間栄一
by カエレバ

ちょっと高くて私は買えませんが、買った人いたら感想教えてください。または本を私に送ってください。
このブログは最新情報をダイレクトかつ端的に教えてくれるからいいですね。
ところでこのブログの事務局って、一人でやってるんでしょうか。




なんだかネットが荒れている

どうやらNHKが外国人留学生の10万円給付に関するニュースが炎上しているようだ。



記事によると、
「今月末までに入国して大学などに在籍している外国人留学生のうち、新型コロナの影響でアルバイトに就けず収入が得られないなど経済的に苦しい状況にある人に、1人当たり10万円を支給することを決めました。」

これがどれのことを言っているのかがわからない。
おそらく、

学生等の学びを継続するための緊急給付金
220311
のことを指しているのだと思うが、これは元々留学生も対象であった。これを超え、さらに給付するというのであればこのニュースや批判は正しいだろう。でも、元々決まっていたことをあたかも改めて決めた、のような報道するのはいかがなものか。

何より、こんなことをしていたら平然と外国人留学生が憎悪の目で見られることを是としていることになる。

では、この緊急給付金はどのような中身なのか。熊本大学のページが分かり易いから、それを参照しよう。


1.対象者
在学する学部生、大学院生、専攻科生、別科生(私費外国人留学生は来日している方のみ)
★留意事項★  
・非正規生は、対象外です。  
・現在休学中、留学中の方も申請要件を満たす場合は対象となります。
・一次募集及び二次申請に申請し、すでに緊急給付金が指定の口座に振り込まれている方は、今回の募集には申請できません。  
・日本学生支援機構の給付奨学生で、すでに緊急給付金が指定の口座に振り込まれている方も、今回の募集には申請できません。

また、対象となる要件(多額の仕送りがないか、収入減が認められるか)も厳密に定められている。
これでも外国人留学生に10万円を支給するのは不当だというのであれば、まあそういう人なんだなあと思いますが・・・。
既存の日本人学生にも、「高等教育の修学支援新制度」でも手厚く支援しています。それでも、予算が余っている状態なのです。

まあ個人的な意見をいうと、東京福祉大学みたいなムチャしている大学は対象外としてほしいですけどね。


日本人、外国人問わず困窮している学生はドンドン申請してください。学生課に相談すればよいのです。


職員人件費、毎年約750億円!!

これ、いる?

なんで年金制度ってわざわざあんなややこしくするんでしょうか。
あ、厚労省の利権確保のためか、今更ですね。

年金振込通知書の誤発送問題 検証報告書を公表



日本年金機構といえば事務ミスを何度もやらかすでお馴染みですが、つい先日もやらかしていましたね。別の人の年金額が入った封筒を「97万人」にも誤送付。いやあ、スケールがちげえや。

日本年金機構は「事務処理誤り等について」というページを設け、月ごとでどれだけミスがあったか、どう処理したかについて図解で報告しています。
211219-1
211219-2

もうね、アホかと。

これだけミスが出るってことは、もう制度自体がおかしいのですよ。機構の職員がポンコツっていうのもありますが、未だにこんなややこしい制度を紙ベースでやってるの、アホらしすぎますよ。

また、年金事務所は全国312か所もあるんだとか。従業員数は正規・准職員あわせて11,156人。その他職員も10,000人以上います。

年金制度が破たんしそうなのに何やってんの?

あのね、制度もそうだけど世の中ペーパレス化なのよ。
ドバイなんてとっくに完全ペーパレス化に成功してますよ。



こんな中、まだ日本は誤送付がどうだとかで大モメしています。
そして「年金アドバイザー」なる謎資格もできるくらい、年金制度はグチャグチャです。

そして日本年金機構の令和2年度の決算は・・・

・職員人件費、約750億円!
・業務委託費、約900億円!
(外部丸投げで職員は何やってるの?)

「これだけ経費がかかるんなら、赤字じゃん!」

って思うでしょう。
でもね、2016年~2020年にかけて、毎年100~300億円の純利益を出しているんですよ。

なぜなら毎年「事業運営費交付金」が2,000億円近く入ってきますからね!!
ちな、BS上のキャッシュは600億円近く持ってま~すww

いやあ年金制度破たんするする詐欺して実は放漫経営してるのに、国民がバカだから誰も気づかなくてお役人様笑いがとまりませんわ!ガハハ!

私が言いたいのは、こういう非営利法人って経営がグダグダでも何故かメスが入らないのですよ。財務諸表を客観的に見て、これは効率化を急ぐべきですよ。


世界よ、これが日本の新しい高等教育制度だ!


2023年度5月1日現在。大学名赤字は2022年度情報。

大学名入学定員入学者数入学定員
充足率
収容定員在学者数開設年度
ヤマザキ動物看護専門職短期大学80104130%2402932019
東京国際工科専門職大学200234117%8008582020
名古屋国際工科専門職大学120139116%4803992021
静岡県立農林環境専門職大学2426108%96782020
芸術文化観光専門職大学8086108%3202502021
アール医療専門職大学807999%3602842022
大阪国際工科専門職大学16015295%6404752021
情報経営イノベーション専門職大学 20017889%8007442020
国際ファッション専門職大学19417289%7947142019
びわこリハビリテーション専門職大学12010588%4803662020
開志専門職大学24020686%9604972020
東京保健医療専門職大学16013484%6404512020
高知リハビリテーション専門職大学15011073%6004522019
東京情報デザイン専門職大学16011572%6401152023
ビューティ&ウェルネス専門職大学23414964%9361492023
和歌山リハビリテーション専門職大学804658%3201462021
岡山医療専門職大学1206453%4802552020
せとうち観光専門職短期大学802025%240262021
かなざわ食マネジメント専門職大学40923%160322021
電動モビリティシステム専門職大学 403  8%16032023
グローバルBiz専門職大学983  3%39232023


文科省肝いりの新制度、専門職大学。充足率を満たしているのは半分程度。いいですか、これら専門職大学は学生確保の見通し等を、文科省設置の委員会の審議を経て認可されたものです。
特にかなざわ食マネジメント専門職大学とせとうち観光専門職短期大学はヒドい。こんなものが成功すると「本気」で思っている人がいるとしたら、かなりヤバいです。

一番悲惨なのはこれら専門職大学に入学した学生。「就職が良い!」「新しい制度!」「専門性!」等、実績もないのに大げさに広告を掲げて入学させた罪は重いです。
入学した学生は、高確率で就活やその後の人生で苦労します。この専門職大学に関わった人たちは、そういったことを具体的に想像できていますか?作ったら終わりではないです。
受験生にここまでのリテラシーを求めるのは不可能です。ですから、保護者や進路指導担当の方は、かなりアンテナを張る必要があります。
もう無計画に新しいことを始めて周りを巻き込んで混乱させるのはやめましょう。地に足の着いた、理想論ではない努力をしましょう。


<2023年度更新>
マジで終わってますな・・・。電動モビリティシステム専門職大学にいたっては入学者3名。せとうち・かなざわ食マネも引き続き厳しい。設置審は何を見ていたのか・・・。こんな制度始めた罪は大きいですよ。
東京大阪名古屋国際専門職、国際ファッションはモード学園などを経営する日本教育財団系。やはり強い。



君はどの大学を選ぶべきか 国公私立大学・専門職大学・短期大学受験年鑑 2023 /大学通信
by カエレバ



↑このページのトップヘ